会社で経理の仕事をしている女性が、伝票の処理でミスをして上司に怒られたとしよう。その时、どんなことを心の中でつぶやくだろうか。
1、いつもミスはかり。私って、経理に向いてないんだわ.
2、もう少し注意して処理すれば、间违いは防げたはずだわ【ふせぎ】
3、こんなに汚く书かれていたら、谁だって読み间违うわ.
4、ついてないな。あの伝票さえ担当していなければ.
この四つを挙げたのには訳がある。社会心理学では、なぜそうなったのかを考えることを原因帰属といい。観察して得られたデータをもとに、その理论化が试みられてきた。もっとも、人间の行动がすべて理论化されて予测可能になるわけではないが。
その代表的なものとしてワイナーの原因帰属理论がある。安定性と原因の所在のそれぞれ二つの要因の组み合わせによって四つのパターンができる。安定性というのは少々分かりづらいが、その结果がいつものことだと考えるなら、安定していると考え、たまたま起こったこと、あるいは场合によって结果が异なると考えるなら、不安定な要因だということである。
先の1~4をこの表の分类に当てはめてみると、下のようになる。なお、参考までに反対に成功した场合の原因帰属を括弧の中に书いておく。
1→A:自分の能力のなさだと考える。
(能力が発挥された)2→B:努力が足りなかったせいだと考える。
(努力が报われた【むくい】)3→C:外のもの(=伝票)が悪いと考える。
(易しい仕事だった)4→D:运が悪かったと考える。
(运が悪かった)
ワイナーによれば、この原因帰属によって、その後の学习意欲が决定されるという。もっとも强い原动力となるのは、不安定で、しかも内部のことだと认知された场合であるという。失败した场合を考えるなら、努力すれば、次はもしかしたらという期待につながるからだ。同じ内部でも安定の场合は、どうせやっても无駄だという无力感につながり、学习意欲には结びつかない。同じ不安定でも外部の场合は、今以上に学习しようという気にはならない。なんでも运に帰属しがちな人は、学习意欲が出ないどころか、低下することさえあり得る。
このようにワイナーは、その人の成功や失败のどらえ方が、その时の感情のみならず、その後何を期待するか、さらにはどんな行动をとるかにも影响を与えるということを理论化して示したのである。